民法第921条1号は、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは単純承認したものとみなし、以後、その相続人が相続放棄や限定承認をすることを認めていません。
では、相続人が被相続人の預金口座を解約した場合、その相続人は単純承認したとみなされてしまうのでしょうか。
この点につき明確な最高裁判例はないようですが、仮に被相続人名義の預金口座を解約して現金を受け取ったとしても、それを一切使わずに保管しておいた場合には法定単純承認には該当しないと考えられます。
ただし、預金口座を解約しても使わなければ絶対に大丈夫ということはありません。
債権者も回収に必死なのです。
少しでも債権回収のために使えそうな材料があれば、それを最大限に利用したいと考えるはずです。
相続人の一人が預金口座を解約したとなれば、これによる法定単純承認を主張し、その相続人に対して返済を迫るでしょう。
したがいまして、基本的には、被相続人名義の預金口座の解約はなるべく控えたほうが賢明です。
既に解約して現金を受け取ってしまった場合には、絶対に使わないようにしてください。
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